適度な飲酒量=1日純アルコール20グラム
厚生労働省によると、「適度な飲酒量」は1日純アルコール20g程度とされています。
・なぜ適量が20gか?
なぜ純アルコールの適量が20gに設定されているかについてです。
こちらのグラフをご覧ください。
一日の平均アルコール消費量と死亡率の関係を表したグラフです。
男性では1日10-19g、女性では1日0-9gにて死亡率が最も低くなります。それ以上になると右肩上がりでリスクが高くなっていきます。
そのため、1日の適度な飲酒量は20g程度と決められました。
男女ともアルコールを飲まない人よりも少量飲む(1日0-9g、1日10-19g)の場合に死亡率が下がっていますが、アルコールを飲めない人が無理して飲まなければならないということではありません。
・純アルコール20gの計算法
アルコールは種類によって濃度が違います。例えばビールは約5%、焼酎は約25%というように、種類によって何倍も違うため純アルコールに換算して評価しなくてはならないのです。
純アルコールを計算する式はというと、
アルコール濃度(度数)÷100×アルコールの量(ml)×0.8=純アルコールの量(g)
となります。
最後の0.8をかけるところは、アルコールの比重が0.8というところからきています。(水100mlは100gですが、アルコール100mlは80gということ)
では、具体的にビールで計算してみましょう。
・ビールのアルコール濃度は?
ビールのアルコール濃度は約5%です。
アサヒ スーパードライ 5.0%
キリン 一番搾り 5.0%
サントリー プレミアムモルツ 5.5%
サッポロ エビス 5.0%
各社の代表的なブランドの中ではサントリーのプレミアムモルツだけが5.5%でそれ以外は5.0%です。
今回は5.0%で計算してみます。
・缶ビール350ml
先程の式に当てはめると、
5÷100×350×0.8=14g
ビール350mlは純アルコール量14gなので、ビール350ml 1日1本なら適度なアルコール量と言えます。
・缶ビール500ml
5÷100×500×0.8=20g
ビール500mlでちょうど純アルコール20g。ビール500ml1日1本がぎりぎり適度な量ということになります。
アルコール濃度5.0%でちょうど20gということは、アルコール濃度5.5%のサントリープレミアムモルツだと適量をオーバーしてしまいます。
ちなみに、プレミアムモルツの場合
5.5÷100×500×0.8=22g
たった2gの違いですが、積み重ねると大きな違いになります。10日間で500ml1本分のビールに相当するので、アルコール濃度0.5%の差もばかにはできません。
・缶ビール350ml 2本
5÷100×350×2×0.8=28g
500mlでちょうどだったので、当然ながら350mlを2本飲んでしまっては適量オーバーです。
缶ビールの場合、350ml1本はOK、500ml1本はぎりぎりセーフ、350ml2本はアウトということになります。
瓶ビールも同様に計算してみます。
小瓶(334ml)5÷100×334×0.8=13.36g
中瓶(500ml)5÷100×500×0.8=20g
大瓶(633ml)5÷100×633×0.8=25.32g
瓶ビールの場合、小瓶はOK、中瓶はぎりぎりセーフ、大瓶はアウトということになります。
ただ、ビール500mlまでなら毎日飲んでも大丈夫ということではなく、休肝日を適度に挟むことが望ましいことは言うまでもありませんよ。
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