ヨードによる甲状腺への影響は? ポビドンヨード、昆布

健康

ヨードって甲状腺に悪いの?

ヨードの必要摂取量は1日150μgとされていますが、日本人は1日0.2mgから1.5mgぐらい摂っていると言われています。

日本人は元々ヨードの摂取量が多いのですが、それで問題となることはほとんどありません。

ただ、甲状腺機能に影響を及ぼす可能性もあるので、それについて説明したいと思います。

まずはWolff Chaikoff効果という現象をおさえましょう。

Wolff Chaikoff(ウォルフ チャイコフ)効果

大量のヨードを摂取すると甲状腺濾胞細胞内のヨードの有機化が阻害され、その結果、甲状腺ホルモンの合成が阻害されます。これをWolff Chaikoff効果と言います。

大量のヨードを摂取することにより甲状腺ホルモンが低下するということです。

Wolff Chaikoff効果の次はEscape現象。英語ばかりで申し訳ありません。

Escape(エスケープ)現象

Wolff Chaikoff効果はずっと続くわけではなく、多くの場合は一時的なもので次第に元の状態に戻ります。これをEscape(エスケープ)現象と言います。

ヨードを摂取することにより甲状腺ホルモンが低下したとしても、普通は自然と元の状態(正常な状態)に戻るということです。

それなら問題ないはずですが、どんな場合に注意が必要なのでしょうか。

ヨード摂取に注意が必要な人は?

大量のヨードを摂取しても自然と元に戻ることが多いのですが、例外もあります。その場合は甲状腺ホルモン低下したまま持続してしまうので注意が必要です。

・甲状腺の基礎疾患がある場合(橋本病など)

・胎児、新生児

これらの場合はEscape現象が起こらず、甲状腺ホルモンが低下したままになってしまう可能性があります。

特に胎児や新生児の場合は成長に関わるので最大限の注意が必要となります。具体的にはその母親がヨードを多量に摂取することにより、胎児にヨードが移行して胎児や新生児の甲状腺ホルモンが低下してしまうということになります。

ヨードが多く含まれている食品

どんな食品にヨードが多く含まれているかというと、

・昆布

・ひじき

・のり

・わかめ

・寒天

・ヨード卵

・昆布だし

この中でも最も気を付けなければならないのは昆布です。5gの昆布で約10mgのヨードが含まれています。1日の必要量は150μgとされているので、昆布に含まれるヨードの量が相当多いことが分かると思います。

根昆布は健康食品として人気があり、高血圧の方が飲むことが多いようです。その場合、甲状腺機能低下症を併発している可能性があります。その場合、根昆布を食べるのをやめれば甲状腺機能は元に戻ります。

イソジンのうがい薬は?

イソジンのうがい薬はポビドンヨードという成分でできており、ヨードそのものです。ただ、普通はこれを飲むことはないので大丈夫ではないかと考えますが、実際はうがいをすると粘膜からヨードが吸収されます。

イソジンのうがい薬はヨードの濃度が濃いので、うがいだけでヨードが体内に吸収されてしまい、その結果、甲状腺ホルモンが低下ということが十分に考えられます。

そういう理由から、甲状腺に基礎疾患がある場合(橋本病)や妊婦はイソジンを使ってうがいをすることはやめた方が無難だと考えます。

イソジンによるうがい、昆布による民間療法

自分に本当にメリットがあるか考えて行いましょうね

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