気温が高い、湿度が高い、風通しが悪いという環境下で負荷の大きい作業を行った場合に起こるのが熱中症です。
高温多湿の環境で体調を崩している方がいる場合、まず初めに熱中症を疑いましょう!
具体的な症状は、
- めまい
- 立ちくらみ
- 筋肉痛、こむらがえり
- 頭痛、吐き気、嘔吐
- 倦怠感
- 意識障害
- けいれん
これらの症状が挙げられます。
熱中症は下手をすると命を落とす可能性がある疾患です。油断大敵、速やかな処置を心がけましょう。
熱中症を疑った時にやらなければならないこと
ここでは熱中症が疑われる方を見つけた場合に行わなければならないことを説明しますね。
1 まずは意識を確認
意識がない、反応がいつもと違う場合は緊急性のある状態に陥っています。救急車を呼び、医療機関に搬送です。
2 涼しいところへ移動
救急車を呼んだ後、安心してのんびり待っていてはいけません。熱中症の原因である暑さから解放してあげる必要があります。
涼しいところへ移動させましょう。冷房が効いている部屋、日陰の涼しい場所に連れて行ってください。
意識があって救急車を呼ぶ必要がない方の場合も同様です。
3 衣服を脱がして、体を冷やしましょう
涼しいところに移動した後、次に行うべきは衣服をゆるめて体を冷やすることです。衣服は可能な限り脱がすことがより良いです。体にたまっている熱を放散させることができます。
そして、冷たいものを体に当てて冷やしてあげましょう。首、脇、太ももなど太い血管が通っているところを冷やすと効果があります。
救急車を呼んでいる状態であれば、ここまでの処置を行い、それからは状態を観察しつつ到着を待ちましょう。
待っている間は情報収集を行いましょう。救急車に同乗した人が熱中症が起こった環境や持病の有無など医療機関で説明しなければなりません。
4 水分を飲ませましょう
意識がなく水分摂取が難しい場合以外は、水分を摂らせましょう。熱中症は体の中の水分が不足しています。水分を補給しましょう。
また、水分とともに塩分も不足していますのでスポーツドリンク、経口補水液が望ましいです。
水が飲めない場合も普通の状態ではありません。医療機関を受診させましょう。また、場合によっては救急車を呼ぶことも考えても良いでしょう。
5 ここまで処置したら体を休ませる
水分を摂らせた後は安静です。安静で症状が回復すればひとまず安心です。回復した後は仕事には復帰させず帰宅させましょう。無理してはいけません。
回復しない場合は、医療機関を受診した方がいいでしょう。
熱中症が起こらないように対策を立てましょう
熱中症にかかった方の処置が終わり回復すれば一段落ですが、これで終わってはいけません。
なぜ熱中症になってしまったかを考え、次に起こさないように対策を立てる必要があります。
原因や対策を考える際には次の視点で考えてみましょう。
- 環境について
- 作業内容について
- 健康管理、教育について
環境について
温度や湿度を下げる工夫
- 日よけや風通しを良くする
- 扇風機などの冷房機器を利用
- 涼しい休憩所を設ける。
- 冷えた飲み物、塩分がとれるものを用意
- 氷や冷たいおしぼりを用意
WBGTの測定
環境の評価を行うにはWBGTという暑さ指数を測定する機器を利用することも有効です。
作業について
- 十分な休憩時間を確保し、作業時間の管理を行う
- 通気性の良い作業服、帽子を利用する
- 暑熱順化、1週間くらいかけ暑さに慣れる期間を設ける
健康管理、教育について
- 健康状態についての声掛け
- 水分や塩分摂取の奨励
- 日常の健康管理
熱中症対策 終わりに
年々夏の暑さが厳しさを増しています。熱中症が起きてしまう可能性も高くなっていると言っていいでしょう。
熱中症が起きてから慌てて対処するのではなく、起こさないようにするためにはどうするか、起きてしまった場合にどのように対応するか、平時から準備して社員同士で話し合う機会を作っておきましょう。
めざせ、熱中症ゼロ!!
頑張りましょう!
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