脱水症のサインを知り水分補給を
地球温暖化の影響か、日本の夏は年々暑くなっているように感じます。各国が力を合わせて気候変動に立ち向かおうとしていますが、成果に結びつくのは数年、数十年先になるでしょう。
気温が上がると、それに伴い熱中症の人数も増えてしまいます。それぞれの企業で熱中症対策を行っているのにもかかわらず、残念ながら職場での熱中症による死傷者数はなかなか減りません。
図の青い線が死傷者数です。2017年までと2018年以降を比べると減るどころか増えていることが分かります。
そして、熱中症の怖いところは、重症化すると死亡する可能性もあるということです。赤い棒グラフが死亡者数ですが、毎年20人から30人は職場の熱中症で亡くなっています。
職場で社員が亡くなることは絶対に防がなくてはならないことなので、熱中症対策はとても重要で優先度が高い課題と言えます。
熱中症が重症化する原因とは
熱中症の死傷者数や怖さについて話してきましたが、実際のところ、熱中症にかかったとしても軽症で済むことがほとんどです。
涼しいところで休んだり、病院に行って点滴をしてもらえば、次の日には普通に働くことができるまで多くの場合は回復します。
それでは、どのような場合に重症化するかというと、次の2つが考えられます。
・異常な高体温
・高度な脱水
高体温、脱水により内臓の障害が起きることが熱中症が重症化する原因です。これらを防ぐことが熱中症を重症化させないポイントです。
高体温に対しては、涼しい場所に行く、体を冷やす。脱水に対しては水分を補給する。シンプルな方法ですが、これをできるだけ早く行うことが重要です。
今回は、からだが脱水状態になっていることを示すサインを紹介します。
自分が脱水になっていることに早く気がつけば、それに対して早く対処できるはず。気がつかなければ脱水がどんどんひどくなってしまいます。
脱水状態をあらわす症状とは
国際的にも有名なイギリスのNHS(National Health Service)では以下の症状が、脱水のサインとして挙げられています。
・のどの渇き
National Health Service
・尿の色が濃い
・尿のにおいがきつい
・疲労感がある
・めまい、ふらつき
・口、唇、眼のかわき
・尿の回数が少ない
これらの症状が出始めた時には、すでに脱水が進行しています。ただちに水分補給を行いましょう。早期に対処すれば問題ありません。
尿のチェックが重要
7つある症状のうち3つが尿に関連するものです。脱水ということはからだの中の水分量が減るため、尿の量も減ってしまいます。そのため、尿の色やにおいにも影響するのです。
脱水の症状と尿が関係していることを知ってもらうことが、重症化を防ぐにはとても大事になります。
トイレにこのようなポスターを貼ると、自分が脱水になっているかどうかの意識づけになるので有用です。
熱中症による重症化を防ぐために、
脱水の症状を知ってもらいましょう!
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