熱中症を防ぐために水分を摂ろう!
熱中症は高温多湿の環境下で体の水分や塩分が失われることにより起こる病態です。
その予防や治療のために水分摂取が必要なことは分かると思いますが、果たしてどんな飲み物が適しているのでしょうか。
どの飲み物を飲んだらいいのか?
その理由は?
これらのことを簡潔に分かりやすく説明したいと思います。
飲むものによっては熱中症の症状を悪化させてしまうこともあるので注意してください
せっかく水分を摂っても悪くなってしまうなんて大変ですね!
それではどの飲み物が適しているか説明しましょう
スポーツドリンク
スポーツドリンクには塩分と糖分が含まれているため、脱水と塩分の喪失を補うには適した飲み物です。
糖分の濃度が高いため、摂りすぎには注意が必要です。特に糖尿病の患者さんでは、より糖分が少ない経口補水液が望ましいと言えます。
経口補水液
経口補水液はスポーツドリンクよりも電解質(ナトリウムなど)の濃度が高いという特徴があります。
そのため、大量に汗をかいたときにはスポーツドリンクよりも経口補水液の方が効果的です。
また、糖分の濃度が低いため、腸管での水分吸収が速いというメリットもあります。
ただ、スポーツドリンクに比べるとコストがかかるのが難点です。
水
コストが低いところ、蛇口をひねればすぐに飲めるという容易さがメリットです。
水分を摂りましょうと言うと、水を飲みましょうと同義と思う方も多いかもしれません。
水分を摂取するという点においては水は悪くないのですが、気を付けなければならない重要なポイントがあります。
水だけを飲むことにより体内の電解質濃度(ナトリウムなど)が低下してしまうということです。食塩水に水を足すと塩分濃度が薄くなるということと同じイメージです。
血液中のナトリウム濃度が減った結果、熱中症の一つの病態である「熱けいれん」の発症リスクが高まります。
「熱けいれん」とは手足などの筋肉がこむらがえりや痙攣をおこしてしまうことです。
そうならないために、水と同時に塩分を補給する必要があります。
塩飴や塩タブレットが市販されているので、それを利用するのも一つの方法です。
お茶
水と同じです。
ただ、昆布茶など塩分が含まれているお茶は熱中症対策になると考えられます。
コーヒー
利尿作用があるので効果的な水分補給になりません。
アルコール類
仕事中にアルコールを飲むことは極めて稀だとは思いますが、一応コメントしておきます。
コーヒーと同じようにアルコールには利尿作用があるので、熱中症の対策としては不適です。
結論:熱中症対策にどの飲み物が良いか
◎ 経口補水液
〇 スポーツドリンク
△ 水、お茶
✖ コーヒー、アルコール
経口補水液が最も適していますが、ややコストがかかります。
スポーツドリンクを飲む際は糖分が多く含まれていることに注意しなくてはなりません。スポーツドリンクを多く飲むことによって糖尿病を発症してしまうこと、悪化させてしまうことはよくあることです。
水やお茶を飲む場合は一緒に塩分を摂りましょう。それだけで、十分な熱中症対策になります。
水分摂取の実際
水分摂取は作業前から始めましょう。
作業中も定期的に水分を摂り、発汗量が多いときはより多く飲むことが必要です。
水分補給には経口補水液、スポーツドリンクを推奨しますが、水やお茶でも構いません。その場合は塩飴や梅干し等の塩分も補給しましょう。
また、具体的な内容と量をルール化すると実効性が高まります。(例:30分~1時間に1回スポーツドリンク200mlずつ必ず飲むこと。)
必要量に個人差があるので、最低限の量(約200ml)を決め、その量だけは必ず飲むということをルールにしておくと良いでしょう。
ルール化することにより水分摂取量が少ない作業者や水分を摂らずに連続で作業を行うことを防ぐことができます。
適切な水分摂取は熱中症対策の重要なポイントです。みんなで声を掛け合いながら熱中症を予防していきましょう!
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