正しい耳栓の着け方 きちんとできていますか?

騒音

騒音性難聴とは?

 騒音が大きい場所で長く働いていると、次第に聴力が低下してしまいます。騒音が原因で起こる難聴のことを騒音性難聴といいます。

 ・音が大きい
 ・音が高い
 ・騒音環境にいる時間、年月が長い

 このような環境で働いていると騒音性難聴になりやすく、症状もひどくなりやすいです。

騒音性難聴になると治らない

 騒音性難聴は、初めのうちは会話に支障がないため本人は気づきません。本人が難聴に気づいたときにはかなり進行していることが多いです。

 難聴が進行してしまうと、そのうち日常会話が困難になってしまいます。

 また、騒音性難聴の大きな問題点は、一度なってしまうと治らないことです。現時点では騒音性難聴を治す薬や治療法はありません。

 つまり、騒音性難聴への対策は、騒音性難聴にならないこと。予防するしかありません。

騒音性難聴を予防するには

 騒音性難聴を予防するための対策には以下の3つがあります。

1. 音源への対策
2. 音の伝播経路への対策
3. 作業者側の対策

 対策方法は3つありますが、優先度は1,2,3の順番となります。

 まずは音源対策。音が小さくなるようにするというのが最も大事です。

 次の対策は音源と作業者の間に遮蔽物をおいて音が伝わる経路をふさぐこと。大きな音が作業者に届かないようにすることです。

 そして、最後に作業者側の対策となります。

 1,2の対策はとても大切な対策なのですが、実情は難しいことが多いです。コストがかかるからです。根本的で恒久的な対策を行う必要があるのは当然ですが、それができる企業(余裕のある企業)は限られています。

 そう考えると3の作業者側の対策が、騒音性難聴を予防するためには重要なものとなります。これをきちんと行うことで、難聴になるのを防がなくてはなりません。

作業者側の騒音対策

 作業者側の対策としては、

・作業時間を短くする
・聴覚保護具をつける

という2つが考えられます。

 2つあるうち、作業時間を短くするというのも大事なのですが、これも企業としては難しいところです。(実行不可能の対策が多いですね…)

 そうなると、聴覚保護具をつけるというのが騒音性難聴に対する対策の中心になります。

イヤーマフの弱点

 聴覚保護具にはイヤーマフと耳栓の2種類があります。耳栓は説明不要だと思いますが、イヤーマフはあまり聞いたことがない言葉かもしれません。

 下の写真がイヤーマフです。ヘッドフォンの形をした保護具です。見た目は音楽を聴くときに使ったり、寒さを防ぐときに着けるものと同じです。

 イヤーマフの長所は着用が簡単ということです。きちんと耳を覆うように着ければ音をさえぎる効果を発揮してくれます。

 イヤーマフの弱点はヘルメットを着用しているときに使うことができないということ。イヤーマフの上からヘルメットをかぶろうとしても、頭にフィットするようにかぶることはできません。これでは頭をしっかり守ることができないです。

 もう一つの弱点は暑いときにイヤーマフをつけるのはかなり大変です。同じ形状のものの防寒グッズがあるくらいですから。これを夏に工場勤務者がつけるのは熱中症のリスクが高くなってしまいます。

 一方、耳栓の弱点は正しくつけるためにはひと工夫する必要があるところです。正しくつけることができなければ、音をしっかりさえぎることはできません。

正しい耳栓のつけ方

 耳栓にも2種類あります。一つはシリコン状のハードタイプ、もう一つはウレタン状のソフトタイプです。

ハードタイプの耳栓

 ハードタイプの耳栓はそのままの形で耳に入れることができます。ソフトタイプの場合はそのままでは十分な機能を発揮することができません。

ソフトタイプの耳栓

 ソフトタイプの耳栓はウレタン状なので、指でつまむように押すとつぶれ、時間がたつと元の形に戻ります。この特徴を生かして、耳の穴をすきまなくしっかりとふさぐことができるのです。

 ソフトタイプの耳栓はつける前に、耳栓全体を指で押しつぶして、丸めて細い形状にしなくてはなりません。これが耳栓の正しいつけ方で重要なポイントの1つです。

 この手順をふまないと、耳栓が耳の穴にしっかりと入っていきません。

それでは、実際の手順です。

① 正しいつけ方を行うには、耳の穴はまっすぐではないことを知らなくてはなりません。図のように曲がっているので、そのまま耳栓を入れようとしても奥の方まできちんと入っていきません。

② 耳栓を奥までしっかり入れるためには、耳の穴をまっすぐにしなくてはなりません。まっすぐにするための方法が次の図です。

 耳栓を入れる側と反対の手を使って耳たぶの上の方をつまみます。

③ つまんだ耳たぶを上の方に引っ張ると曲がっていた耳の穴がまっすぐになります。そうすると簡単に耳栓をしっかり入れることができます。

④ 耳栓がしっかり入った状態です。

最初に押しつぶして丸まっていた耳栓が元通りの形に戻ると耳の穴にフィットして、音をさえぎることができます。

 実際に、耳たぶを引っ張ったときと引っ張らないときを比べてみると、フィット感と遮音性が全然違うことが分かると思います。

耳栓の正しい入れ方 まとめ

耳栓の正しいつけ方のポイント2つ

・入れる前に耳栓を押しつぶして細いかたちにすること

・反対の手で耳たぶをつまみ上に引っ張り、耳の穴をまっすぐにすること

この2つを押さえておけば耳栓の使い方はバッチリです

騒音性難聴を予防しましょう!

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